転籍する際に協議が必要【最高裁見解示す】
日本IBM(東京)がハードディスク部門を会社分割に伴い
労働者を転籍させる際、どのような場合に無効となるかが争われた訴訟の
上告審判決で、最高裁は、「企業が従業員側と協議を全く行わなかったり、
協議の内容が著しく不十分だったりした場合には、転籍は無効となる」との
初判断を示しました。最終的に労働者の同意が得られなくても、
会社側が十分な協議と説明をすれば転籍を有効とする内容です。
訴えていたのは、日本IBMの元社員6人。
同社が2002年に旧商法(現会社法)の会社分割規定を使い、
会社分割のうえ子会社を設立。社員を転籍させ、その後、子会社を
日立製作所側に売却しました。元社員側が転籍無効やIBM従業員
としての地位確認などを求めていました。
一審・横浜地裁は07年5月、元社員らの請求を棄却。
08年6月の二審・東京高裁判決もこの判断を支持していました。
最高裁は、示した基準に基づいて今回の事例を検討。
IBM側が社員の代表者との協議で会社分割の目的や背景を説明し、
転籍に納得しない社員に対しても最低3回の協議をしていたことなどを評価しました。
会社分割は従業員の転籍が前提になりますが、
最高裁は労働者保護の観点を打ち出し、十分な労使協議に基づいた
人事の運用を経営者側に求めたといえると思います。














