人事制度

人事制度(人事評価制度・賃金制度)

お客様に、人事制度を創る(見直しをする)目的を確認させていただきますと、こんなお悩みをもっていらっしゃいます。

さらに、退職金制度においても、

このように、お客様によって「人事制度」「退職金制度」のご相談は多種多様です。

人事制度の考え方

人事制度は時代とともに変遷を遂げています。人事制度は経営者の関心以上に、従業員にとっても日々の生活に多くの影響を与えることになります。運用が上手くいかないと、職場内の日々の人間関係や精神的ストレスに発展する悩ましい存在となり得ます。人事制度は、その成否によって、従業員のモラール(士気)ばかりか、企業業績まで左右しかねない企業共通の重大な経営課題であると考えています。

ところで、従業員のモラールを上げるための人事制度を策定改定するうえで、大切なポイントがあります。多くの方が、ご存知のハーズバーグの「動機付け衛生理論」とマズローの「欲求5段階説」です。

「動機付け衛生理論」では、動機付け要因で仕事の満足に関わるのは、「達成すること」「承認されること」「仕事そのもの」「責任」「昇進」などです。これらが満たされると満足感を覚えるが、欠けていても職務不満足を引き起こすわけではありません。衛生要因で仕事の不満足に関わるのは「会社の政策と管理方式」「監督」「給与」「作業条件」などです。これらが不足すると不満足を引き起こしますが、満たしたからといっても満足感につながるわけではありません。単に不満足を予防する意味しか持たないということです。
つまり、人事制度を策定・改定する場合の大切な視点は、従業員の仕事に対する満足度を促進するツールであり、単に結果主義で、短期で目標を達成した人に給与をより多くフィードバックするような人事制度は制度として機能しなくなる可能性があります。また、給与に関しては、衛生要因であり給与を仮に上昇させるだけでは、最終的な満足には至らないということです。

「欲求5段階説」は、マズローのモチベーション理論で人間の欲求を5段階に分類し、重要性に従ってそれらが階層構造をなしているとしました。低次元の欲求が満たされれば、さらに高次元の欲求を満たすべく行動するという考えで、5段階の分類は以下の通りです。

  • 生活生理欲求:衣食住の欲求
  • 安全確保欲求:集団に属することで、リスクや危険から身を守りたいという欲求
  • 認知評価欲求:他者から評価されたいという欲求
  • 自己尊厳欲求:他者から尊敬されたいという欲求
  • 自己実現欲求:自己の存在意義を実現する欲求

動機付け要因は、マズローの欲求段階説でいうと「自己実現欲求」「自尊欲求」さらに「社会的欲求」の一部に該当する欲求を満たすものとなっています。衛生要因は、マズローの欲求段階説でいうと、「生理的欲求」「安全・安定欲求」と「社会的欲求」の一部の欲求を満たすものとなっています。

つまり、企業の業績を進展させ、企業を成長させる目的において、人事制度は、従業員の欲求と企業目的を高次元でバランスよく保つことであるといえます。

人事制度の基本構造

① 等級(格付け)制度

多段階で等級を設定し、社員を評価する物差しで、社員を○等級と設定します。
等級を区分する根拠は、「職務遂行能力」・「職務」・「期待役割」という切り口から実施する傾向が多いです。そして、この等級が上昇することを昇格といい、役職があがる昇進と対比されます。

② 評価制度

評価制度は、それぞれ個人が自社に対してどの程度貢献したかを測定する部分です。
評価する項目・評価の要素・評価の期間を定めて、自己評価をしたのち上位役職者が再評価するというツールです。評価期間を6ヶ月サイクルとして各賞与額に連動させる仕組みも多く採用されています。
また、上司と部下の面談ツールとして利用するという目的のみならず、人材育成ツールとして評価制度を活用する動きがあります。

③賃金(給与)制度

賃金制度は、等級と評価に基づいて支給される報酬の根拠を明示したものです。給与や賞与の内訳を明示していきます。これまでの成果主義では、成果のみを報酬と結び付けようとする形が多かったのですが、業種・業態・企業理念などを反映し、企業毎に異なる賃金制度を導入すべきと考えています。

人事制度体系図

退職金の法的見解について

◆退職金債権の解釈について

退職金制度は、従業員の退職時に勤続年数などの基準に基づき、一時金や年金の形式で支給される報酬制度です。最近は、退職金制度がない企業が増えてきました。また、従来の退職金を廃止し、その代わり、毎月一定の額を手当として支給する「退職金前払い制度」を導入することが大手企業を中心に進んでおります。

退職金は本来、各企業が個別に行う恩恵的な給付です。
恩恵的なものであれば、払いたくない場合には払わなくてもよいとなるはずですが、退職金規程などで退職金が制度化され、その支給要件が明確にされている場合には、労働契約の一部として退職金を保証しなければならないとされています。つまり、仮に支払う資金がないとしても逃げることができないことが過去の判例に明示されています。

◆退職金規程の現状分析

退職金については、一定の法的保障が発生するのですが、現実問題として現在退職金規程を有している会社が、その廃止や変更を行う場合に、どこまで旧規程の内容を保証しなければならないのか確認をしておくことがとても大切です。

Check1 制度変更時点までの過去の勤務に対する退職金額
⇒原則過去勤務債務は保証対象で、既得権部分の減額は従業員の同意が必要です。
Check2 制度変更後の今後の継続勤務期間に対する退職金額
⇒制度変更後の債務は、旧規程の不利益や社会情勢を勘案して設定することが可能です。

つまり、よく相談を受けます「適格退職年金制度を解約すれば、退職金の問題も解決する」という見解は、完全な誤解です。「退職金制度」と「外部に積立している準備金」は違うものです。
いずれにしても、退職金制度の現状分析を行うこと。その中で今後の退職金制度をどうするか検討することをお勧めします。

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