インフォメーション

トヨタの成果主義拡大「6.5万人評価」の試練

東洋経済ONLINEに、トヨタの人事制度の制度変更が取り上げられていました。
 
日常、人事制度全般の構築から賃金制度、人事評価制度の部分改定等、多くの案件を手掛ける中、
大変興味深い記事でありました。
https://toyokeizai.net/articles/-/384033
 
新制度によって各社員の評価の違いで定昇額の差はより大きくなる。評価が悪ければ「定昇ゼロ」もありうる。
いわば、成果主義の拡大だ。2021年からトヨタの一般組合員、約6.5万人に適用される。
「頑張った人がより報われるようになる」というのが労使双方の狙いだ。
 
トヨタで働く人たちの雇用は何としても守り抜く。そのために、もっともっと競争力をつけなければならない」
と強調した。これに対し、トヨタ労組の西野勝義執行委員長は「あらゆる職場で競争力を強化していく」と応じ、
トヨタが進める改革に協調する姿勢を示した。
(略)
 
トヨタは新制度の導入に先立ち2020年から「人間力」を評価基準に加えた。
人間力は「周囲へ好影響を与え、頼られ・信頼される力」としている。具体的には、
「自分以外のだれかのために頑張る」「自分はできていないと理解し、学ぼう、成長しようと努力し続ける」
「相手を思いやり、当たり前のことを当たり前にできる」というもの。
社員は各項目が実践できているかどうかを上長から評価され、最終的に4段階(◎、○、△、×)のいずれかに判定される。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし、驚きである。
トヨタのような製造業で人間力を評価軸として加味するのは意外でもあります。これまで幣所では、
介護業界を中心に接客・サービス業に人間力の必要性を説いてきました。
 
「人間力」の基本的な考え方
 人間力=人間性+形

1.人は、「形」を通じて、人の「心」を判断している。
2.どんなにすばらしい「心」があっても、それを「形」に表すことができなかったら「心」はないのと同じである。
 
詩人・宮澤章二の「こころ」はだれにも見えないけれど 「こころづかい」は見える 「思い」は見えないけれど 「思いやり」はだれにでも見える。
 
人間力研修については、下記をご参照ください
 
https://www.roumu-kadokura.jp/service/training/
 
また、2013年頃の当職のブログに人間力というテーマで語っていました。
 
東洋経済ONLINEの執筆した記者が、最後に次のように問いかけをしている。
果たして、人間力という新たな評価軸を盛り込んだ賃金制度改革で、一人ひとりの競争力強化にどこまでつながるのか。
評価者のスキル向上をはじめ、成果主義の拡大に伴う課題はいくつもある。