サービス助成金申請

助成金とは何でしょうか。「補助金」という言葉と「助成金」という言葉が同じように使われていることがありますが、別物です。補助金とは、補助金とは、国(経済産業省)や自治体などが、何らかの政策目的達成のために税金を使って起業家や中小企業を支援する制度です。助成金とは、国(厚生労働省)が行っている、雇用関係の助成金を指します。

助成金申請イメージ

1.助成金申請

助成金は国が雇用の安定のために、政策として必要な分野に支給されるよう設計しています。具体的には、雇用関係の助成金は、雇用保険法の中の「雇用保険二事業」として実施されます。

雇用の悪化が進むと、雇用の維持のために新設され、既存の要件緩和や受給額の拡大が行われます。 現在では、キャリアップ助成金という有期契約者を正規転換等にする社会問題化でもある正規社員を増やす国家戦略。高齢化が進展する中、国が向かうべき方向性と考える定年延長や継続勤務を実施する事業主へ助成が用意されています。
そして、昨今流行の生産性要件も、国際競争力の観点から我が国の生産性向上が叫ばれ、平成29年4月に施行された雇用保険法では、【雇用保険二事業の理念として、「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする」】ということが明記されました。助成金の申請において「生産性」が加味されることになった理由はここにあります。

つまり助成金を活用する第一歩は、こうした人材活用の勧めを自社のマネジメントとして国家の施策を受け入れるかどうかを検討することにあると思います。
助成金は、国が考える施策と自社の人材マネジメントを調整し、健全な会社を形成、発展させていくひとつのツールではないでしょうか?

2.助成金とは

国から貰える返済不要のお金で融資ではありませんので、返済する必要は全くありません。
助成金は、条件さえ満たせば、どんな会社でも貰うことができます。

なぜ返済不要なのか

厚生労働省管轄の助成金は、全額事業主負担である雇用保険二事業で行われています。
つまり、助成金の財源は事業主が全額支払っている雇用保険料で賄われているため、返済不要なのです。
したがって、雇用保険料を支払っている事業主、またはこれから起業して雇用保険料を納める方は、当然貰える権利があります。
会社が納めた保険料を、助成金として受給し、雇用の安定のために、上手に積極的に活用されることをお勧めします。

3.助成金の効果

助成金は返済不要のお金で、貰った助成金は売上ではなく100%利益になります。
例えば、100万円の助成金(=売上利益100万円)で見てみましょう。

売上げ利益を100万円達成するためには

利益率30%の会社の場合 100万円 ÷ 30%=売上げ300万円必要
利益率20%の会社の場合 100万円 ÷ 20%=売上げ500万円必要
利益率10%の会社の場合 100万円 ÷ 10%=売上げ1,000万円必要
利益率5%の会社の場合 100万円 ÷ 5%=売上げ2,000万円必要

100万円の助成金がいくらの売上に匹敵するかをみてみると、その効果は絶大なことがわかります。

4.助成金の会計処理

助成金は営業外収入に該当しますので、課税対象となります。
経理上は一般的に雑収入として計上します。
また、計上の時期は入金日ではなく、支給決定日で計上します。
支給決定日から入金日まで、間がかなり空いてしまう助成金もあります。仮に、支給決定日から決算日を挟んで、助成金が入金された場合は、支給決定日を基準に計上してください。
その他、障害者関係の助成金を受給した場合は、助成金の非課税措置や事業所税の軽減措置等、税金面での優遇措置が受けられます。

なお、上記の説明は一般的なものです。実際処理する場合は税理士様に必ずご相談ください。

5.助成金は中小企業に
手厚い

助成金は雇用保険料を支払っていて、条件さえ満たせば中小企業や個人事業でも受給することが可能です。
助成金は企業の規模を問わず支給される場合もありますが、中小企業だけに支給されるもの、又は大企業に比べて中小企業の方が助成率の高いものも少なくありません。
助成金は、雇用の安定を守る中小企業への支援金なのです。

中小企業事業主の範囲

業種 資本金等の額・常時雇用する労働者の数
小売業・飲食店 資本5,000万円以下、又は労働者が50人以下
サービス業 資本5,000万円以下、又は労働者が100人以下
卸売業 資本1億円以下、又は労働者が100人以下
その他の業種 資本3億円以下、又は労働者が300人以下

6.助成金を申請しよう

助成金は知っている人だけが受給できます。そして、申請をした人だけが貰えます。
つまり、申請しないと受給することができません。助成金の要件に該当する(該当できる)のに貰っていないのは、もったいないと言えます。
しかし実際は、助成金を知らないばかりに制度を有効利用できていない、助成金は知っているけど申請手続きがわからない会社が多いのです。
また、助成金を受給したいけれど、「面倒くさい」「本業が忙しくて、申請の時間が取れない」「どんな種類があるのかわからない」「書類が難しい」と一般の方は思われるはずです。
国から貰う返済不要のお金ですので、申請手続きは複雑で難しく、窓口担当者も不正受給が起こらないように申請書類を厳しくチェックします。
また、書類は窓口に何度も直接持参したり、業種ごとに揃える書類が異なったりと、かなりの労力と時間がかかります。

7.確実に受給するための
ポイント

  • 1.法律で定められた帳簿書類は揃えておく
  • 労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、就業規則、現金出納帳、総勘定元帳など法律で義務付けられている帳簿類は必ず準備しておきましょう。不正受給防止のため、申請書類はもとより賃金台帳や出勤簿は厳しくチェックされます。
    また、助成金を申請すると、申請時、審査中、受給後に調査が入る場合があります。その時に上記の帳簿種類の提出を求められることがありますので、その時に慌てないように日頃から備えておきましょう。
  • 2.労働保険・社会保険への加入
  • 助成金は雇用保険料を財源としているため、受給のためには、雇用保険に加入していることを条件としています。また、加入後は保険料を滞納しないように気をつけなければなりません。
    会社経営を健全に長期間続けていくためには、労働保険・社会保険への加入は必須事項です。もし未加入の場合は、助成金受給に合わせ、会社環境を整備する良いきっかけとして加入されることをお勧めいたします。
  • 3.事前準備が大切
  • 助成金は一般的に会社を設立したり、人を雇用した場合に支給されますが、その際、事前に申請することが必要となります。実施後では、受給できない場合がほとんどです。事前準備の不備(遅れ)により、本来であれば助成金を受給できたはずなのに、受給できない場合もあります。

    会社設立前や従業員の雇用前に申請する書類もありますので、事前準備が何よりも大切です。会社設立、新事業進出、新たな雇用等がある場合は、事前にご相談ください。
  • 4.労務管理も重要
  • 従業員を雇用したことによる助成金を受給した場合、対象労働者を会社都合で解雇してしまうと助成金を返還しなければならなくなります。また、過去に解雇したことがある場合は、その後しばらくは助成金を受給できない場合もあります。
    従業員を雇う時はもちろん、雇ってからもトラブル等を起こさないよう注意していく必要があります。
    また、助成金の支給対象期間に対象労働者に対する賃金を、支給申請を行うまでに支払っていない場合も支給されません。未払残業代等がないよう再度確認が必要です。

8.利用上の注意

偽りその他不正の行為により給付金の支給を受け、又は受けようとした事業主、労働保険の保険料の徴収等に関する法律に基づく保険料の納入をしていない事業主、給付金ごとに定められた支給要件に該当しない事業主、申請期限経過後に申請を行った事業主に対しては、助成金は支給されません。また、すでに受給した助成金の返還を求められることがあります。
これは当たり前のことですが、不正受給することは絶対に行なってはいけません。立派な犯罪です。
また、助成金を受給したいがために、無理に人を雇ったりすることもやめましょう。必要に応じて雇入れたその結果として助成金は受給すべきです。

社会保険労務士に助成金申請代行を依頼する場合の注意点

助成金には申請ごとに様々な事情が起こる可能性があり、受給できない場合があります。 社会保険労務士に依頼したとしても、助成金を100%受給できるかどうかの保証はありません。その点はご了承ください。

助成金の種類・内容については下記サイトで確認ください。
事業主の方のための雇用関係助成金