営業時間 9:00~17:00 (土日祝休)
2026/03/04
■ 相談内容
下野市 の企業様より、「遅刻を頻発する従業員を勤務成績不良として解雇したい」とのご相談をいただきました。
当該従業員は注意指導を受けても遅刻が改善せず、現場の業務運営にも支障が生じている状況でした。
会社としては服務規律違反を理由に解雇を検討している段階でした。
■ 法的・実務的な論点整理
弊所で事実関係と書類一式を確認したところ、重要な点が判明しました。
・対象者は有期雇用契約者であること
・労働条件通知書に
「契約更新の可能性あり」「更新判断基準:勤務成績・勤務態度等」
と明記されていたこと
この内容から、
解雇ではなく契約更新を行わない「雇止め」とする判断の適法性を検討する余地があると判断しました。
■ 弊所の助言内容
企業様には次の点を説明しました。
・解雇は法的ハードルが高く紛争化リスクが大きいこと
・有期契約でも更新を繰り返している場合は雇止めにも合理性が必要なこと
・今回は更新基準が書面に明示されており客観的事実(遅刻頻発)が存在すること
そのうえで、最もリスクの低い対応として「解雇ではなく、更新判断基準に基づく契約満了」を提案しました。
■ 実施対応
弊所支援のもと、会社は以下を実施しました。
・更新基準に基づく判断理由の整理
・面談説明用文面の作成
・説明時の注意点(言い方・順序・記録方法)の指導
その結果、面談ではトラブルなく説明が完了。本人も契約終了を理解し、紛争化することなく受け入れました。
■ 最終処理(リスク予防措置)
退職後トラブル防止のため、弊所にて退職合意書(清算条項・守秘義務・誹謗中傷禁止条項付き)を作成し、署名締結。
レピュテーションリスク※も未然に防止しました。
※会社の評判・風評のリスク
■ 解決結果
・解雇トラブルを回避
・労働審判・訴訟リスクゼロ
・企業イメージ毀損なし
・本人も納得の円満終了
■ 本件の重要ポイント(企業側の学び)
本件後、企業様は制度改善として「有期契約者は更新時に必ず面談を実施」という運用ルールを新設されました。
内容は
・継続意思確認
・更新判断基準の説明
・面談記録保存
です。
■ 専門家コメント
実務上、企業担当者の方が誤解しやすいのは**「有期雇用の方が解雇しやすい」**という認識です。
しかし、実際には有期契約社員を契約期間中に解雇するのは、法律上、想像以上に難しい判断が求められます。
労働契約法第17条第1項では、「やむを得ない事由」がある場合を除いて、契約の終了を待たずに解雇することを禁止しており、
紛争時に裁判所においてもこの判断は非常に厳格に行われます。
本件は、
制度設計+書面整備+説明手順の3点が揃っていたことで、紛争を未然に防げた典型例です。
本件のような労務トラブルは、状況に応じた適切な判断が重要になります。
門倉事務所では、個別事情を丁寧に確認しながら最適な対応をご提案しておりますので、同様の問題でお困りの際はお気軽にご相談ください。
ご相談・ご質問は、
お気軽にご連絡ください。